VAIO Pro 11 に Ubuntu 14.10 をインストール
VAIO株式会社製の VAIO Pro 11 を買ったので、それに Ubuntu 14.10 をインストールしたときのメモ。 スペックは、Core i5, SSD 128GB, メモリ8GB、タッチパネルなし。
Windows 8 のリカバリディスクの作成
まず、普通に Windows を起動し、セットアップする。 8GB の USB メモリを用意する。 「コントロールパネル」「システムとセキュリティ」「ファイル履歴」を選択して 左下の「回復」を選択する。 「回復ドライブの作成」を実行する。 今回は「回復パーティションをPCから回復ドライブにコピーします」にチェックを入れて リカバリ領域を削除することにした。 「回復ドライブの作成」が終わった後にでる画面で 「回復パーティションの削除」を選択して実行する。
F3 または F4 を押しながら電源ボタンを押し、「VAIO レスキューモード」に入る。 念のため、「USB メモリーやディスクから起動」でリカバリディスクで起動できるかどうかを 確認した(リカバリが始まったらキーボードの選択のところで電源を切った)。
Ubuntu の USB メモリから起動
最終的には、BIOS は Legacy モードにしてインストールした。 はじめ UEFI で Ubuntu を Windows の C ドライブだけを消して インストールした後に PC を起動すると Windows の修復が始まり、Ubuntu が起動しなかった。 パーティションは efi と Windows RE tools ともう一つ不明なパーティションの3つが残した状態になっており、 これらのうちどれかを消せばよかったのかもしれない。 何がどういう動作をしているのかわからなかったのと Windows を使う予定はないので、 結局、全部のパーティションを消してインストールしたが 元の状態に戻せるのかどうかはよくわからなかった。
手順は次のようにした。 「VAIO レスキューモード」から「BIOS 設定を起動」を実行する。 「Boot」「Boot Configuration」にある「Boot Mode」を「Legacy」にする。 Grub2 を使ったマルチブート USB メモリ で作った起動ディスクを利用したのだが、 UEFI だとそもそも Grub が起動しなかった。 Ubuntu の USB 起動ディスクの作成で作った USB メモリならば UEFI でもきちんと起動する。 あと、次の設定は必要ではないが私にとっては便利なので、 「External Device Boot」を「Enabled」にし、 「Boot Priority」を「External Device」を優先になるように変更しておく。
また「VAIO レスキューモード」に入って「USB メモリーやディスクから起動」を選択して USB メモリの Ubuntu を起動する。
Ubuntu 14.10 のインストール
一応は Windows 8 の回復ドライブを作ったが、 Windows 8 に戻すことは考えていないのですべてのパーティションを削除してインストールした。 30GB を / 、8GBをスワップ、残りを /home に割り当てた。
Ubuntu 14.10 の設定
root のパスワード
sudo passwd
で root アカウントのパスワードを設定した。root のパスワードを設定せずに
sudo su -
のようにして利用する方が良いかもしれない。
ホームディレクトリにある日本語ディレクトリ名を変更する
LANG=C xdg-user-dirs-gtk-update
パッケージのインストール
私が使うパッケージをインストールする。
apt-get install lubuntu-desktop language-pack-ja aptitude apt-file zsh lv curl roxterm \
openssh-server xcompmgr chromium-browser emacs24 emacs24-el apel vlc unison tsocks \
nkf byobu tmux conky gcal ack-grep silversearcher-ag rar unrar samba system-config-samba gparted cryptsetup \
gnuplot gnuplot-doc maxima maxima-doc pngtools gif2png pngcheck pngcrush pngquant \
build-essential automake cmake filezilla dia tgif gimp inkscape qiv mirage geeqie \
git subversion cvs mercurial bzr git-svn ruby-full gcc clang \
gnucash jabref wmctrl wine easystroke sshfs encfs \
dstat sysstat imagej graphviz xaralx pinta shutter scantailor \
libgsl0-dev libgmp3-dev libmpfr-dev libmpc-dev libglc-dev \
libmpfi-dev freeglut3-dev libopenmpi-dev libgl2ps-dev libmagickwand-dev \
libyaml-dev libssl-dev libffi-dev liblzma-dev libleveldb-dev libfftw3-dev \
libkyotocabinet-dev kyotocabinet-utils libtokyocabinet-dev cutter-testing-framework libargtable2-dev \
valgrind lame sox libsox-fmt-all flac audacity avidemux gstreamer-tools \
gscan2pdf libtiff-tools djvulibre-bin djview pdftk xpdf jpeginfo pdf2djvu \
tgif w3m wxmaxima global exuberant-ctags eblook lookup-el eb-utils emms \
emacs-mozc kasumi fonts-vlgothic fcitx fcitx-anthy fcitx-mozc pepperflashplugin-nonfree
日本語環境
wget -q https://www.ubuntulinux.jp/ubuntu-ja-archive-keyring.gpg -O- | apt-key add -
wget -q https://www.ubuntulinux.jp/ubuntu-jp-ppa-keyring.gpg -O- | apt-key add -
wget https://www.ubuntulinux.jp/sources.list.d/utopic.list -O /etc/apt/sources.list.d/ubuntu-ja.list
apt-get update
apt-get upgrade
apt-get install ubuntu-defaults-ja
これで良いはずなのだが ubuntu-defaults-ja が見つからない。 そのうち、インストールできるようになるのかな。
fcitx
必要なパッケージをインストールした後
im-config -c
で設定する。
LaTeX
apt-get install texlive texlive-math-extra texlive-lang-cjk texlive-fonts-recommended \
ptex-bin xdvik-ja dvipsk-ja dvipng gv \
texlive-science texlive-publishers texlive-bibtex-extra \
xpdf ispell latexmk latex-mk
タッチパッドを無効にする
マウスを使っているときはタッチパッドは不要で、 タイピングするときに触れるとクリックしたことになって不便。 一時的には、タッチパッドを無効にするには gpointing-device-settings でできる。
apt-get install gpointing-device-settings
でインストールして、Lubuntu だと「設定」の「Pointing devices」で起動して設定する。
rbenv で ruby をインストール
git clone git://github.com/sstephenson/rbenv.git ~/rbenv
git clone https://github.com/sstephenson/ruby-build.git ~/.rbenv/plugins/ruby-build
で必要なファイルをダウンロードして zsh を使うときは ~/.zshrc に次のような設定を書く。~/.rbenv が存在する場合だけに設定するようにした。
export RBENV_ROOT=$HOME/.rbenv
export PATH=$RBENV_ROOT/bin:$PATH
eval $(rbenv init -)
次のコマンドで設定を読み込む。
exec $SHELL -l
好きなバージョンの ruby をインストールする。
rbenv install 2.1.4
rbenv global 2.1.4
rbenv rehash
で ruby 2.1.4 をインストールして、デフォルトの ruby にする。
バッテリ充電の制限
http://simon.schllng.de/2013/10/31/battery-care-limit-ubuntu-sony-vaio-pro/?lang=en を読むと VAIO Pro 11 の場合は
/sys/devices/platform/sony-laptop/battery_care_limiter
に何%まで充電するかを書けば良さそう。 初期値は 0 になっている。
試しに
echo 80 | sudo tee /sys/devices/platform/sony-laptop/battery_care_limiter
として充電してみると、80%以上は充電されなかった。
echo 85 | sudo tee /sys/devices/platform/sony-laptop/battery_care_limiter
とすると100が書き込まれていたので、85%までという充電の制限はできないようだ。
TLP で省電力設定
TLP を使って省電力の設定をする。 http://linuxg.net/how-to-install-tlp-0-6-on-ubuntu-14-10-ubuntu-14-04-ubuntu-12-04-and-derivative-systems/ を参考にした。
laptop-mode-tools がインストールされているなら
apt-get remove --purge laptop-mode-tools
で削除しておく。
TLP を PPA からインストールする。
add-apt-repository ppa:linrunner/tlp
apt-get update
apt-get install tlp
最初にインストールしたときには tlp を実行する必要がある。 以降は、起動時に実行される。
tlp start
細かい設定はよくわからない。 あと省電力の効果は測っていないので、はっきりしないがしばらく使ってみる。
SSD の TRIM
/etc/fstab に discard オプションをつける。
UUID=********** / ext4 discard,errors=remount-ro 0 1
UUID=********** /home ext4 defaults,discard 0 2
UUID=********** none swap sw 0 0
のようにした。
https://plus.google.com/+MartinPitti/posts/D2SB1zxb9Z9 にあるように Ubuntu 14.04 以降は、デフォルトで TRIM に対応している。 具体的には、私がインストールした Ubuntu 14.10 を調べると /etc/cron.weekly に fstrim というファイルがあった。 これが、定期的に実行されることで TRIM に対応しているようだ(公式の文書を読んだわけではなくて、私の推測)。
リカバリディスクのバックアップ
fdisk -l
として調べると、リカバリディスクは /dev/sdi だったので root で次のようにしてバックアップを作った。
dd if=/dev/sdi | gzip -c > /path/to/vaio_pro_11_recovery_16GB.img.gz
USB メモリのサイズは 16GB だったので、このディスクイメージから Windows を元に戻すには 16GB の USB メモリを用意する。USB メモリが /dev/sdi であることを確認して
gzip -dc < vaio_pro_11_recovery_16GB.img.gz | dd of=/dev/sdi
とする。このようにしてディスクイメージを書き込んだ USB メモリで リカバリを実行する前までは動くことは確認した(リカバリを実際に行うまでは確認していない)。